給湯器の音は、ふだんは気にも留めないものです。それが、ある日を境に「こんな音、前からしていたっけ」と気になり始める。夜の静かな時間に、壁の向こうから低いうなりや甲高い音が聞こえると、壊れる前ぶれではないかと不安になります。実は、給湯器が出す音の多くは正常な運転の音で、気にする必要のないものです。一方で、中には使用をすぐ止めるべき危険な音もまじっています。大事なのは、音の種類と、それがいつ鳴るのかを聞き分けることです。この記事では、よく聞かれる音を擬音ごとに並べ、放っておいてよい音と、点検を頼むべき音、すぐに止めるべき音に分けて説明します。
音の種類で危険度は3段階に分かれる
給湯器の音は、「正常な運転音」「点検を頼んだ方がよい音」「すぐに使用を止めるべき音」の3段階に分けられます。点火の時の「カチカチ」や燃焼中の「ゴー」は正常、「キーン」「ブーン」が強くなったら点検、点火の時の「ボンッ」という爆発のような音や、ガスのにおいをともなう音はすぐに止める、というのが基本の目安です。
まずは、よく聞かれる音を一覧にしました。耳に残った音に近いものを探してみてください。
| 聞こえる音 | 鳴るタイミング | 危険度 |
|---|---|---|
| カチカチ、ポッ | お湯を出した直後 | 正常(点火の音) |
| ゴー、ボー | お湯を使っている間 | 正常(燃焼とファンの音) |
| しばらくファンが回る音 | お湯を止めたあと | 正常(中の排気を出している) |
| ポコポコ、チョロチョロ | 使用中や使用後 | 正常(エコジョーズの排水) |
| キーン、キュルキュル | 燃焼中ずっと | 注意(ファンの劣化の可能性) |
| ブーンという強い振動 | 燃焼中 | 注意(固定のゆるみなど) |
| ピーという笛のような音 | 使用中 | 注意(給排気や配管の異常) |
| ボンッという爆発音 | 点火の瞬間 | 危険(異常着火) |
| シューという音とガスのにおい | いつでも | 危険(ガス漏れの疑い) |
同じ音でも、以前より大きくなった、頻度が増えたという変化があれば、一段階危険度を上げて考えてください。音は、劣化を知らせる最初のサインになることが多いからです。
放っておいてよい音
お湯を出した直後の「カチカチ」という音は、点火のための火花の音です。続いて「ポッ」と火がつき、使用中は「ゴー」という燃焼音とファンの回る音が続きます。これらは給湯器が正しく動いている証拠です。
お湯を止めたあとに、しばらくファンだけが回る音がすることがあります。これは本体の中に残った排気を外へ出すための動きで、異常ではありません。冬の夜、お湯を使っていないのに小さな運転音がする場合は、配管の凍結を防ぐためにポンプやヒーターが動いていることがあります。
エコジョーズでは、使用中や使用後に「ポコポコ」「チョロチョロ」という水の音がすることがあります。これは排気の熱を回収する時に出る水(ドレン水)が、排水ホースを流れる音です。追いだきの時の「ウィーン」という低い音も、循環ポンプが動いている音で、多くの場合は心配いりません。
点検を頼んだ方がよい音
次のような音は、すぐに危険というわけではありませんが、部品の劣化や取り付けのゆるみが進んでいるサインです。急ぎではないものの、早めに点検を頼んでください。
- キーン、キュルキュル:ファンのモーターの軸受けがすり減ると、金属がこすれるような甲高い音が出ることがあります。放置すると、ファンが止まって燃焼できなくなることがあります。
- ブーン、ガタガタ:本体を壁に固定している部分がゆるんだり、配管が壁や柵に触れて共振したりすると、振動をともなう音が出ます。
- ピー、ヒュー:給排気口のまわりに隙間や障害物があると、風を切る笛のような音が出ることがあります。
- ウーン、ジー(追いだきの時):循環ポンプの劣化で、以前より大きくうなる音が出ることがあります。
これらの音が、使用年数10年前後の給湯器で出始めた場合は、修理より交換を考えるきっかけにもなります。点検の時に修理の見込みと交換の費用を両方聞いておくと、判断しやすくなります。
すぐに使用を止めるべき音
点火の瞬間に「ボンッ」という爆発のような大きな音がする場合は、すぐに使用を止めてください。これは異常着火と呼ばれ、点火が遅れてたまったガスに一気に火がついた時に起こります。本体の部品を傷めるうえ、燃焼の状態が悪くなっているおそれがあります。
「ボッボッ」と燃焼が不安定な音が続き、排気口のまわりが黒ずんでいる、すすが出ている場合も、不完全燃焼の疑いがあるため使用を止めます。「シュー」という音とともにガスのにおいがする場合は、ガス漏れの疑いがあります。火気や換気扇、電気のスイッチには触れず、窓を開けてガス栓を閉め、契約しているガス会社に連絡してください。
「バチバチ」という電気がはじけるような音や、焦げくさいにおいがする場合も同様です。電源を切り、点検を依頼してください。リモコンに過熱を示す番号などが出ている場合は、エラーコードの記事もあわせて確認してください。
自分でできる、音を小さくするための確認
点検を頼む前に、利用者が安全に確かめられることもあります。まず、本体のまわりに物が置かれていないかを見てください。給排気口の前に物置や植木鉢、自転車などがあると、空気の流れが乱れて「ピー」「ヒュー」という音や、燃焼音が大きくなる原因になります。
次に、本体から出ている配管が、壁や手すり、柵に直接触れていないかを確かめます。配管が金属の柵に触れていると、運転中の振動が伝わって「ブーン」「ビリビリ」という音が大きく響くことがあります。触れている部分にすき間を作るだけで静かになることもありますが、配管を無理に曲げたり引っ張ったりはしないでください。
本体のカバーを外したり、固定のネジを締め直したりするのは避けましょう。ガス機器の内部や固定の作業は、資格のある人が行うものです。外から見て分かる範囲を整えても音が変わらなければ、そこから先は点検の出番です。
音の出るタイミングで原因の見当をつける
音の原因を伝える時は、どんな音かに加えて「いつ鳴るか」が重要な手がかりになります。点検を頼む前に、次の点をメモしておくと、作業する人が原因を絞り込みやすくなります。
- 点火の瞬間だけか、使っている間ずっとか、止めたあとか
- 給湯(蛇口・シャワー)の時か、お湯はり・追いだきの時か
- 冬だけ、風の強い日だけなど、季節や天気に偏りがあるか
- 以前からしていた音が大きくなったのか、新しく聞こえ始めたのか
スマートフォンで音を録音しておくのも有効です。点検の時に限って音が出ない、ということはよくあります。録音があれば、実際に聞いてもらいながら原因を考えられます。
なお、蛇口を閉めた瞬間に「ガン」と配管をたたくような音がする場合は、給湯器ではなく水道の配管で起きる現象であることが多く、給湯器の故障とは分けて考えます。
正常な音でも、近所に響く時の考え方
給湯器の音が正常でも、設置場所によっては、隣の家の寝室の近くに響いたり、マンションの共用廊下で音がこもったりすることがあります。夜遅くや早朝にお湯を使うことが多いご家庭では、気になる方もいるでしょう。
使っている給湯器の音が問題になる場合は、本体の向きや排気口の向きを変える部材を付ける、交換の時に設置位置を見直す、といった方法があります。ただし、ガス機器の設置位置には、建物や窓との距離など守るべき基準があり、自由に動かせるわけではありません。古い給湯器は、新しい機種に替えるだけで運転音が静かになったと感じることも多いので、交換を考える時期であれば一つの選択肢になります。エコキュートの運転音については、仕組みも対策も異なるため、別の記事を参考にしてください。
音が気になり始めたら相談を
給湯器の音は、毎日聞いていると変化に気づきにくいものです。家族の誰かが「最近うるさくない?」と言い出したら、それが点検のよい機会です。使用年数が10年前後なら、交換の見積りもあわせて取っておくと、突然お湯が使えなくなった時に慌てずに済みます。
当店では大和市・藤沢市を中心に給湯器の交換のご相談を承っています。本体の写真と、気になる音の様子をLINEで送っていただければ、概算の見積りをお伝えします。現地調査・見積り・出張費は無料で、工事費込みの明朗な価格、交換後は最長10年の工事保証が付きます。在庫と工事の空き状況によっては、最短で当日中の交換も可能です。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
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