朝、外に出たらエコキュートの貯湯タンクの下に水たまりができていた。そんな時、まず知っておきたいのは「タンクの足元から水が出ること自体は、ある程度は正常」だという点です。エコキュートは夜に水を沸かすと、水が温まって膨らんだ分を逃がすために、少量の水を排水口へ捨てる仕組みになっています。一方で、配管の継ぎ目や部品の故障、冬の凍結が原因で、本当に水が漏れていることもあります。放っておくと水道代がかさむだけでなく、基礎や周りの地面を傷めたり、タンク内部の故障に進んだりすることもあります。この記事では、貯湯タンク周りの水に話を絞り、正常な排水と水漏れの見分け方、漏れている場所ごとの原因、修理で済むか交換になるかの目安を順番に説明します。慌てて分解したり、電源を入れたまま触ったりせず、まずは落ち着いて観察するところから始めましょう。
足元の水は「時間帯」と「量」でまず見分ける
結論から言うと、夜間から早朝の沸き上げ中に、排水口やホースからポタポタ、またはチョロチョロと出ている程度なら正常な排水の可能性が高く、昼間に止まらず出続けている、タンクの側面や配管の継ぎ目が濡れている、という場合は水漏れを疑います。
エコキュートは電気代の安い深夜に、タンクの水を一気に沸かします。水は温度が上がると体積が増えるため、タンクの中の圧力が上がりすぎないよう、逃し弁という部品から少しずつ水を外に出します。この水は、タンクの下にある排水口や排水ホースを通って、近くの排水ますに流れるように設置されています。そのため、沸き上げの時間帯に排水口のあたりが濡れているのは、むしろきちんと働いている証拠です。
見分ける時は、次の3つを意識して観察してください。1つ目は時間帯で、沸き上げが終わる朝以降も出続けているかどうか。2つ目は量で、ポタポタ程度か、蛇口を細く開けたくらいの量か。3つ目は出ている場所で、排水口やホースの先からなのか、それ以外の場所からなのか、という点です。
| 見え方 | 考えられる状態 | まずやること |
|---|---|---|
| 夜間〜早朝だけ排水口から少量 | 沸き上げに伴う正常な排水 | 様子を見る |
| 昼間も排水口から出続ける | 逃し弁や減圧弁の不具合 | 水道メーターで確認し点検を依頼 |
| 配管の継ぎ目やナットが濡れている | 継手の緩み・パッキンの劣化 | 止水栓を閉めて点検を依頼 |
| タンクの外装の内側から水が出てくる | タンク内部の配管や本体の漏れ | 使用を控えて点検を依頼 |
| 冬の朝に配管から勢いよく出ている | 凍結による配管の破損 | 止水栓を閉めて連絡 |
なお、室外に置いてあるヒートポンプユニット(エアコンの室外機に似た機械)の下が濡れているのは、運転中にできる結露水が出ているためで、これも基本的には正常です。この記事で扱うのは貯湯タンク側の水です。
水道メーターで「本当に漏れているか」を確かめる
見た目だけでは判断がつかない時は、水道メーターを使うと確実です。家の中の蛇口をすべて閉め、トイレや洗濯機も使っていない状態で、敷地内にある水道メーターのふたを開けて見てみます。メーターには、少しの水の流れでも回るパイロットと呼ばれる小さな銀色の部品が付いています。何も使っていないのにこれがゆっくり回っていれば、家のどこかで水が漏れているということです。
次に、エコキュートの給水側にある止水栓(タンクへ水を入れる配管のバルブ)を閉めて、もう一度パイロットを見ます。止水栓を閉めたら止まった、という場合はエコキュート側で水が漏れている可能性が高いと言えます。止水栓を閉めても回り続けるなら、エコキュート以外の場所、例えばトイレのタンクや屋外の散水栓、地中の配管などを疑います。
この確認は5分ほどで終わり、業者に相談する時にも「メーターが回っていて、エコキュートの止水栓を閉めたら止まった」と伝えられれば、話が早く進みます。確認が終わったら、止水栓は元に戻しておかないとお湯が使えなくなるので注意してください。
漏れている場所ごとの原因
貯湯タンク周りで水が出てくる場所は、おおむね決まっています。場所が分かれば、原因もかなり絞り込めます。
- 排水口・排水ホースから出続ける:逃し弁の中にゴミや水あかが噛み込んで閉まりきらない、または減圧弁が劣化して水圧を下げきれず、逃し弁から水が逃げ続けている状態です。設置から年数がたつと起きやすい症状です。
- 給水・給湯配管の継ぎ目:ナットの緩みや、中のパッキンの劣化で、継ぎ目からにじむように漏れます。保温材に覆われていると気づきにくく、保温材が湿って重くなっていることで見つかることもあります。
- 脚部の周りや外装の下から:タンクの外装の中を通る配管や、タンクの内部から漏れている可能性があります。外から見える場所でないぶん、点検には外装を外す必要があります。
- 冬の朝に急に勢いよく出る:屋外に露出している配管が凍って膨らみ、割れたり継手が外れたりした状態です。気温が上がって氷がとけた時に一気に漏れ出すことがあります。
- ふろ配管の周り:浴槽とつながる追いだき用の配管の継ぎ目からの漏れです。お湯はりの時だけ濡れる、という出方をすることがあります。
このうち、排水口からの水と配管の継ぎ目からの水は、比較的よくある症状で、部品の交換や締め直しで直ることが多いものです。一方、外装の内側から出てくる水は、タンク本体に原因があることもあるため、早めに点検を受けた方が安心です。
自分でできる応急処置と、やってはいけないこと
水漏れに気づいたら、まずは被害を広げないことが大切です。配管の継ぎ目や外装の中から水が出ている場合は、エコキュートの給水側の止水栓を閉めてください。止水栓を閉めるとお湯は使えなくなりますが、タンクに水が入り続けて漏れ続けることは防げます。
外装の下から水が出ていて、電気部品のあたりまで濡れていそうな時は、エコキュート専用のブレーカー(分電盤の中にあることが多い)を切っておくと安心です。ただし、ブレーカーを切ったまま長く放置すると、冬場はタンクや配管が凍結しやすくなります。止めるのは点検までの間と考えてください。
排水口からの水が多い時は、多くの取扱説明書で、逃し弁のレバーを何度か上げ下げする手入れが紹介されています。弁に噛み込んだゴミが流れて、症状が落ち着くことがあります。手順はメーカーや機種で違うため、必ず取扱説明書を見てから行ってください。
反対に、やらない方がよいこともあります。外装を自分で外す、配管のナットを工具で強く締め込む、テープを巻いてごまかす、といった対応は、かえって部品を傷めたり、メーカーの保証が受けられなくなったりする原因になります。タンクの中はお湯が高い温度になっていることもあり、やけどの危険もあります。
修理費の目安と、交換を考えた方がよいケース
貯湯タンク周りの水漏れは、原因によって費用が大きく変わります。下の表は一般的な目安で、機種や部品の在庫、作業の難しさによって前後します。
| 原因 | 主な作業 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 配管の継ぎ目の緩み・パッキン劣化 | 締め直し・パッキン交換 | 1万〜3万円程度 |
| 逃し弁の不具合 | 逃し弁の交換 | 2万〜4万円程度 |
| 減圧弁の不具合 | 減圧弁の交換 | 3万〜5万円程度 |
| 凍結による配管の破損 | 配管の補修・保温材の巻き直し | 2万〜5万円程度 |
| タンク本体からの漏れ | 多くはタンクを含めた交換 | 交換費用の検討が必要 |
部品の交換で直るなら修理で十分です。考えどころは、タンク本体に原因がある場合と、設置から年数がたっている場合です。エコキュートは使い方にもよりますが、10年から15年ほどで交換を考える時期に入ると言われます。設置から10年を超えていて、ほかの部品の不具合も重なり始めているなら、修理代を何度も払うより本体の交換を検討した方が、結果として負担が軽く済むこともあります。
交換する場合の費用の内訳やタンク容量の選び方は、それぞれ別の記事で詳しく説明しているので、そちらも参考にしてください。
水漏れを防ぐための日ごろの手入れ
貯湯タンク周りの水漏れは、日ごろのちょっとした手入れで起きにくくできます。特別な道具は要りません。
- 逃し弁の点検:取扱説明書に沿って、年に数回レバーを操作し、排水口から水が出て、レバーを戻すと止まることを確かめます。
- タンク内の水の入れ替え:多くの機種で、年に数回、排水栓を開けてタンクの底にたまった水あかを流す手入れが勧められています。
- 配管の保温材の確認:屋外の配管を覆う保温材がはがれたり破れたりしていないかを見ます。冬の凍結を防ぐ大事な役目があります。
- 排水口の周りの掃除:落ち葉や泥がたまっていると、正常な排水があふれて水漏れのように見えることがあります。
- 冬の冷え込み対策:強い冷え込みが予想される夜は、取扱説明書にある凍結予防の方法(少量の水を出し続けるなど)を確認しておきます。
これらの手入れは、正常な排水かどうかを見分ける練習にもなります。いつもの排水の量や時間帯を知っておくと、異常が起きた時にすぐ気づけます。
点検や見積りを頼む時に伝えること
業者やメーカーに連絡する時は、次のことを伝えると、どの部品を持って行けばよいかの見当がつき、1回の訪問で直る可能性が高まります。エコキュートのメーカー名と、タンクの側面などに貼られた銘板に書かれた型番。設置してからおおよそ何年たっているか。水がどこから、いつ、どのくらい出ているか。水道メーターのパイロットが回っていたか。リモコンにエラー表示が出ているか、という点です。
水が出ている場所の写真があると、さらに話が早くなります。アクアデポ 大和・藤沢店では、LINEで写真を送っていただければ、修理で済みそうか交換を考えた方がよいかの見通しと概算をお伝えしています。見積りと現地調査、出張費は無料で、大和市・藤沢市を中心に、横浜市・綾瀬市・海老名市・座間市・茅ヶ崎市・鎌倉市・寒川町・相模原市まで伺います。交換になった場合も工事費込みの価格でご案内し、最長10年の工事保証をお付けしています。
この記事に関連するページ
この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
記事の数値・制度は一次情報で確認したものだけを載せ、費用の目安は当店の施工事例の金額をもとにしています。監修者のプロフィールと監修の方針