朝お風呂に入ろうとしたら、エコキュートのリモコンの湯量表示がほとんど空のまま。夜の間に沸き上げをしてくれなかったようだ。そんな時、すぐに故障だと決めつける必要はありません。エコキュートが沸き上げをしない原因は、本体の故障だけでなく、リモコンの設定や電源まわりのちょっとした変化であることも少なくありません。旅行の時に入れた休止設定が残っていた、停電のあとで時計がずれていた、季節に合わない少なめの設定になっていた、といったことで、機械は指示どおりに動いているだけ、というケースがよくあります。この記事では、沸き上げが止まった時に見るべきところを、手間がかからない順に並べました。上から順に確かめていけば、設定が原因かどうかは自分で見分けやすくなります。最後まで確かめても沸き上げが始まらない時は、点検を頼むサインです。
最初に見るのはリモコンの表示と休止設定
エコキュートが沸き上げをしない時に、最初に確かめたいのはリモコンの画面です。エラーを示す番号や記号が出ていなければ、設定によって沸き上げが止まっている可能性が高いと考えられます。中でも多いのが、休止設定やおでかけ設定が入ったままになっているケースです。
多くの機種には、旅行や帰省などで家を空ける時に、無駄な沸き上げを止める機能があります。名前はメーカーによって、休止、おでかけ、旅行などさまざまです。日数を指定して止める機能もあれば、解除するまでずっと止まる機能もあります。家族の誰かが留守の前に設定し、そのまま戻すのを忘れていると、帰ってきても沸き上げは始まりません。
リモコンの画面に休止中やおでかけ中といった表示や、それらしいマークが出ていないかを見てください。出ていれば、取扱説明書に沿って解除するだけで、次の沸き上げの時間から元どおり動き出します。すぐにお湯が必要な時は、沸き増しのボタンを使えば、昼間でもお湯を作れます。
確認の順番チェックリスト
休止設定に心当たりがない場合は、次の順に確かめていきます。上の方ほど手間がかからず、自分で確かめやすいものです。
- 1 リモコンにエラー表示が出ていないか(出ていれば番号を控える)
- 2 休止・おでかけ・旅行などの設定が入っていないか
- 3 リモコンの時計が正しい時刻になっているか
- 4 沸き上げの設定が少なめや節約寄りになっていないか
- 5 昼間の沸き増しを止める設定が入っていないか
- 6 太陽光発電と連携する設定で、沸き上げの時間が昼にずれていないか
- 7 エコキュート専用のブレーカーが切れていないか
- 8 給水の止水栓が閉まっていないか、断水していないか
- 9 冬の冷え込みで配管が凍っていないか
このうち、1から6はリモコンの操作だけで確かめられます。7から9は家の外や分電盤を見る必要があります。以下で、それぞれの見方と直し方を説明します。
時計のずれと、季節に合わない沸き上げ量
エコキュートは、電気料金の安い夜の時間帯にまとめてお湯を沸かすよう、リモコンの時計を頼りに動いています。停電やブレーカーの切れたあとに時計がずれたり、リセットされたりすると、機械が思っている夜の時間と実際の夜の時間が食い違い、沸き上げが昼にずれ込んだり、十分に沸かさないまま朝を迎えたりします。リモコンの時刻が実際の時刻と合っているか、午前と午後を取り違えていないかを確かめてください。
電力会社の料金プランを見直した時も注意が必要です。夜の安い時間帯がプランによって違うため、リモコンの設定がプランに合っていないと、思った時間に沸き上げをしないことがあります。プランを変えた覚えがある場合は、取扱説明書にある料金プランの設定の項目を見直しましょう。
もう1つ多いのが、沸き上げ量の設定です。多くの機種には、使った量を学習して自動で量を決めるおまかせのような設定と、量を少なめに抑える節約向けの設定があります。夏の間に少なめの設定にして、そのまま寒い季節を迎えると、お湯を使う量が増えたのに沸かす量が足りず、朝には空に近くなります。季節が変わったら、沸き上げの設定を自動か多めに戻すのが基本です。来客や家族が増えた時期も、一時的に多めにしておくと安心です。
昼間の沸き増し停止と、太陽光との連携設定
電気代を抑えるため、昼間の割高な時間帯に沸き増しをしないよう止める設定を入れている家庭もあります。この設定が入っていると、お湯が足りなくなっても昼間は自動で沸かしてくれません。節約としては正しい使い方ですが、湯切れを起こした日は、手動の沸き増しボタンで一時的に補う必要があります。
太陽光発電を載せている家では、発電した電気を使って昼間に沸き上げる設定を選べる機種があります。この設定にすると、夜の沸き上げを少なくして昼に回すため、朝の時点では湯量が少なく見えることがあります。また、雨や曇りの日が続くと、思ったほど昼間に沸かせないこともあります。朝にお湯が少なく見えても、昼過ぎに増えているなら故障ではありません。
こうした設定は、導入した時に業者が入れたまま、家族が内容を知らないこともあります。リモコンのメニューを1つずつ見て、どんな設定が入っているかを一度把握しておくと、次に同じことが起きた時に慌てずに済みます。
ブレーカー・止水栓・凍結を確かめる
リモコンの設定に問題がない場合は、電気と水の通り道を確かめます。エコキュートは家の他の電気とは別に、専用のブレーカーにつながっていることがほとんどです。分電盤を開けて、エコキュート用や給湯器用と書かれたブレーカーが落ちていないか見てください。落ちていた場合、一度だけ入れ直して様子を見ます。すぐにまた落ちる時は、どこかで電気が漏れているおそれがあるので、それ以上は触らずに点検を依頼してください。
次に、貯湯タンクへ水を入れる給水配管の止水栓が閉まっていないかを見ます。何かの作業で閉めたまま戻し忘れていると、タンクに水が入らず沸き上げができません。地域の断水や水道工事の直後も、配管に空気が入って動きが不安定になることがあります。
冬の朝は凍結も疑います。屋外に出ている配管が凍ると、水が流れずに沸き上げが止まったり、エラーが出たりします。気温が上がって自然に解ければ元に戻ることがほとんどです。熱湯をかけて溶かすと配管が傷むおそれがあるので、ぬるま湯をタオルの上からかける程度にとどめ、解けるのを待ちましょう。
設定に問題がない時は点検を頼むサイン
ここまで確かめても沸き上げが始まらない時や、次のような症状がある時は、部品の故障が考えられます。無理に何度も電源を入れ直さず、点検を依頼してください。
- リモコンにエラー表示が出て、取扱説明書の対処をしても消えない
- ヒートポンプユニット(外にある室外機のような機械)が夜になっても動いている気配がない
- ヒートポンプユニットから普段と違う大きな音や異臭がする
- 専用のブレーカーが何度も落ちる
- 沸き上げはするが、ぬるいお湯しかできない
連絡の前に、メーカー名と型番、設置からの年数、エラー表示の番号を控えておくと、話がスムーズです。設置から10年以上たっていて、ヒートポンプユニットの主要な部品の故障と分かった場合は、修理費が高くなりがちなので、修理と交換の費用を並べて比べてみると判断しやすくなります。交換費用の内訳は別の記事で詳しくまとめています。
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この記事の監修者
屋比久 盛友株式会社マルセイテック 代表取締役
保有資格:外壁診断士/宅地建物取引士/ドローンパイロット2級/建築CAD2級
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